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「ご飯は糖質のかたまりだから制限しましょう!」

数年前から、糖質制限をすすめる情報がテレビやネットで見かけるようになった。

私ニャニャまるは、やっぱりひねくれた性格なのでどうしても

「そうか!じゃ、今日からご飯は控えよう!」とは素直には思えないんだなぁ 🙁

なぜなら、私自身、じつは小さい頃からご飯(お米)が苦手でいつもおかずばかり食べておりました・・・

さらにお米の代わりにパンが大好きで目がなかった・・・

その関係かどうかはわからないけど、小さい頃から喘息そしてアトピー性皮膚炎にさんざん苦しんできた。

それが今はガラリと変わり「ご飯(お米)がないと生きていけれなーい!」

と宣言するほどに、お米大好き人間に変貌してしまった。

何ていうか・・ご飯を食べるとホッとするんだよねぇ。

腹持ちもいいし、お腹が空いてイライラすることもない。

何よりもご飯をしっかり食べるようになってから喘息とアトピー性皮膚炎はみるみる良くなっていった。

もちろん、こういった効果は個人それぞれなので誰でもあてはまるわけではない。

だけど、あまりにもご飯(お米)が世間で悪者にされているような気がしてかわいそうでならない!

糖質制限については医者、専門家をはじめ、一般の人たちもそれぞれの考えを公表している。

この記事では、糖質を代表する食べ物であるお米をかなり視野を広げて考えてみたいと思う。

目の前の木ではなく森全体を眺めて健康を提案したいのが私の考えなので、ピンポイントで解決策を求めている人には、
もしかしたら脱線したような内容に感じてしまい、参考にならないかもしれない。

それでも、あえて広い視野から、糖質制限は必要なのか?つまりお米は必要ないのか?ということを提案することで、
読んでいるあなたが何かを感じ、最終的には独自の考えを決めるきっかけになれば、それでいいと思います。


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お米は日本人のパワーの源

明治時代に日本に来たドイツ人のベルッという医師が、当時の日本人の体力について書き残している。

彼は東京から日光に向かう時に最初は馬で、そして二度目は人力車でいった。

その時、馬と同じくらいの持久力をもった当時の人力車を引く日本人のパワーに驚いたのである。

ベルッは人力車を引いた車夫の食事を確認した。

すると「玄米のおにぎりと梅干、味噌大根の千切りとたくあん」という、超質素なものだった。

ベルッはそのことに、さらにびっくりした!ということを書き残している。

ちなみに今から100年前くらいの日本人を訪れた外国人が多く写真に残しているが、
熊みたいな巨体の外国人に対して、日本人はすごく小柄である。

でも、小柄なんだけど何だか身体がグッと引きしまっているのだ。とくに下半身。
(写真は著作権があるので掲載できないが、興味のある方は「江戸時代 飛脚 写真」などのキーワードでググッてみてもらいたい)

ああ、これなら持久力あるだろうなぁ・・っと思う。

そういえば、オリンピック競技で日本人は持久力、そして下半身を使った競技(マラソン、レスリング、柔道)が得意だ。

フィギュアスケートのジャンプだって外国人選手を圧倒している。あれも下半身のパワーだと思う。

現代の食生活は100年前と大きく変わったけど、今でも、受け継いできた体質は私たちにもしっかり残ってる証じゃないのかな。

ところでここで疑問が出てくる!

「どうして日本は欧米のように肉ではなくお米を選んだの?」

日本人とお米の歴史

日本にお米がやってきたのは約3000年前のこと。時代からいうと縄文時代の後期にあたる。

お米が朝鮮半島から伝わる前は、ドングリなどを主食にしながら、狩猟で食生活を支えていた。

と、ここでその頃の縄文人の1日のひとコマを想像してみよう!

縄文人のおじさん 「ああ、腹減ったなぁ・・今日も獲物を逃したら、もう飢え死にしちまうよ!」

縄文人のおじさんの兄 「場所を移動してみっか?もっと獲物がいそうなとこによぉ」

このように、狩猟採取という食生活は不安定であるため、獲物がない時はずっと食べれないこともたびたびあっただろう。

また場所を転々とかえていき、生活自体も安定していなかったはずだ。

たとえば私たちだって今日は食べるものはあるけど明日はどうかわからない
なんて状態になれば、いっきに心まで不安定になってしまう! 😥

そんな狩猟生活をしていた日本にお米の伝来という一大革命が起こる。

お米は初夏に植えておけば、秋には収穫ができる食べ物だ。

これはそれまでの不安定な狩猟採取生活と比べたら雲泥の差。つまりきちんと食糧確保の予定が立つのだ。

このように今までの不安定な生活がお米で安定し、不安な心にも安心感を得た。

もちろん年によっては天候の違いで豊作の時もあれば、そうでない時もあったはず。しかしお米は長期保存ができる。

さらに日本の高温多湿の気候は米作りにピッタリだったのだ。

こうして米作りは全国へと広がっていく。

今のように便利な農機具がない昔の米作りはとにかく多くの労力がいる。

すると人々はお互いが協力していく必要があるのだ。

日本人の持久力のある体質と、穏やかであり他人と協力し合う精神は、お米の普及が大きく関係しているのではないかと私は思う。

また、苗を植えれば毎年のお米の収穫が約束されるわけだから、もう獲物を求めて移住する必要もない。

人々は同じ土地に定住し、集団を作り、協力して米作りをし、安定した生活を営むようになった。

人口も飛躍的に多くなり、縄文時代は27万人だったのが弥生時代には60万人、古墳時代に入ると540万人にもなり、まさに米の生産量が増えるのと比例して日本の人口も増加してきたのである。

お米の伝来が日本の繁栄の基盤を作った。おおげさではなくお米は日本人のルーッだと思う。

そしてお米は日本人が昔から摂取してきた重要なエネルギー源なのだ。

お米の栄養

では、そんなお米の栄養についてみていこう!

人間は毎日なにもしなくても息をしているだけでエネルギーを消費している。これを消費エネルギーという。

そして食べ物から身体の中に摂りこむエネルギーを摂取エネルギーという。

この摂取エネルギーは以下の3つの栄養素からエネルギーになる。

1.炭水化物
2.タンパク質
3.脂質

この3つの中でも炭水化物からエネルギーを摂取する割合を60%にするのが理想的だといわれている。

その炭水化物を最も多く含んでいるのがお米である。しかもお米は炭水化物だけが栄養素ではない。

 

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お米の栄養のほとんどは炭水化物、つまり糖質(でんぷん)である。

でも他にタンパク質やミネラル、ビタミンも入っている上に、脂質は低め。

さすが主食だけあって、力強いパワーを持った最適のエネルギー源だ。

しかし、それでもお米だけでは栄養は足りない。

お米は主食でありながら、名脇役でもある。

おかずで摂る栄養素とタッグを組んで始めてそのパワーを発揮する。

そして日本人は他の国よりも多く炭水化物を摂っている。

お米の歴史でも紹介したようにお米は日本を発展させた基盤。

他の国よりも炭水化物の摂取が多いのは当然だと思う。

でも、悲しいかな・・

この過剰な炭水化物の摂り過ぎが、現在の糖質制限の健康法やダイエット法につながってしまっている。

ところで、なんでお米などの炭水化物(糖質)を摂り過ぎると身体に良くないんだろうか?

炭水化物(糖質)の欠点

炭水化物は人間のエネルギー源として最適なんだけど、じつは見逃すことができない大きな欠点がある

血糖値を上昇させる

これが炭水化物(糖質)の最大の欠点であり、そして糖質制限法の理由だ。

😯  「でも、血糖値があがると何で身体に良くないの?」

私たちの身体は食べ物を口に入れても、そのままでは吸収できない。

それを吸収できる形にし、さらに吸収できるシステムが正常に働いて、はじめてエネルギーに変換できるのだ。

身体に入った糖質は分解されブドウ糖というエネルギーになって身体中の細胞に届けられるために血中に入る。

その時に血糖値が上がるのだが、インスリンとよばれるホルモンによって各細胞へと送り込まれることで、血糖値は下がる。

これが正常な状態だ。

しかし・・摂取する糖質が多すぎるとどうなるのか?もしくはインスリンが正常に働かなかったら?

血中に余分な糖質があふれてしまい、それは中性脂肪に変換されて肥満の原因となってしまうのだ。

さらに糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病につながることに・・・。

🙁  「やっぱ、糖質ってダメダメじゃん!」

うん。確かに、私ニャニャまるもそう思う。

だけど・・・

だからといってお米などの炭水化物(糖質)を本当に制限していいんかな?

そもそも血糖値が上がるのは身体にとって何の意味があるんだろう?

炭水化物(糖質)の良い点

何かと悪者にされがちな炭水化物(糖質)だが、エネルギー源の他に重要なことがある。

それは血糖値が上がることで満腹中枢を刺激するという働きだ。

満腹中枢が刺激されると身体にエネルギーがしっかり充電されたと認識されて・・

「もう食べなくていいよー♪満足したからokよ!」

とサインが出る。

ところで血糖値を下げるホルモンはインスリンしかないことをご存知だろうか?

ちなみに血糖値を上げるホルモンは5つもある。

そのワケは人類が今のようにいつでもお腹いっぱい食べられるようになったのは、ごくごく最近のことであり、人類は誕生以来、ずうっと飢餓との戦いだったからである。

「血糖値がゼロになる」ということは、つまりエネルギーが身体に巡っていないことになり、それは「死」を意味する。

なので、血糖値を下げることよりも、上げることの方が重要だったのだ。

つまり食べ物が溢れている現代になっても、身体のベースは飢餓タイプのまま。

だから、人間の身体というのは、基本、太りやすいのに痩せにくいのだ。

余分なエネルギーがあれば、明日のためにも蓄えておこうとする。

なんとしても命をつなぐために。

脳の大切なエネルギー源

脳の重さは体重のたったの2%しかないのに、私たちが摂取している全エネルギーの18%も消費する、大食いな器官である。

そんな脳がエネルギー源として使えるのは糖質(ブドウ糖)だけ。

しかも、脳には少ししかストックできないため、続けて供給する必要がある。

そんな大切なエネルギー源である糖質が不足すると、脳の働きがストップしてしまうのだ。

身体をクルマに例えると、糖質というガソリンがなくなりエンストしてしまう状態だ。

 

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オイルが良くても、ガソリンがなければ、クルマは全く走ることができない。つまりただのガラクタ。

それは身体とよく似ている。

脳は身体のすみずみに神経というケーブルを使ってさまざまな指令を出している。

「お腹いっぱいだよ。もう食べなくてok!」
「運動しているからエネルギーをガンガン送るよ!」

こうやって私たち人間はクルマのように糖質というガソリンがあってはじめて正常に走ることができている。

しかし・・
エネルギー源がなくなると、このような指令がきちんと出なくなり、脳が正常に働かず、おバカになってしまうのだ。

身体が本来の機能で動けないため、どんなに良い栄養を摂っても意味がなくなってしまうのだ。

🙁  「じゃ、糖質制限はダメなの?」

いや、ダメではなく・・きちんとあることを守れば有効である。

糖質制限法

糖質制限法とは、糖質を摂らない、もしくは控えることで血糖値の上昇をおさえる方法である。

血糖値をコントロールできれば、肥満を防止して、糖尿病などの生活習慣病を改善、予防することができる。

😯 「え?脳のエネルギー源は糖なのに?」

それは大丈夫。

脳のエネルギー源である糖が不足すると、糖新生という血糖値をきちんと安定させるためのシステムが働くため、供給される。

しかし、ここで注意点がある。

それには炭水化物以外のエネルギー源であるタンパク質や脂肪をしっかりと摂るということ!

でなければ、身体は生き延びるために、筋肉からタンパク質を分解してエネルギーに使ってしまうことになる

筋肉が減るとどうなるか?

身体の消費エネルギー(基礎代謝量)が減ってしまい、少し食べただけも太ってしまう体質になる恐れがあるのだ。

なので、糖質制限法を実行するには、炭水化物などの糖質を制限した分、タンパク質や脂肪でしっかりと補うことが大前提となる。

糖質制限をする前に

このように糖質制限法は、糖質を控えることで血糖値をコントロールでき、そして、肥満も解消できる画期的な方法だと思う。

でも!!

実行するまえに、以下のことも試しているのか?チェックしてみてほしい。

●お菓子を制限している
●お酒を制限している
●炭水化物と油物の組み合わせを避けている
●食べ過ぎないようにしている
●ゆっくり噛んで食べている
●適度な運動をしている

実行していないのならば、まず、これらのことを実行してみて、そして、効果がなかったら糖質制限法に踏み切ってみませんか?

だけど、もし・・・・・

🙂  「お菓子は絶対食べたいんだもん!」
😯  「酒は減らせんわ~無理だわ~」
🙁  「運動なんてしたくない」

🙂  「でも!やせたーーーーーい!!!」

↓ ↓ ↓

😛 「だったら、ご飯やパンとかの糖質を制限したら、OKだよね♪」

ダメです・・

間違ってもこのような流れで安易に糖質制限をしてはいけない。
逆効果になってしまうかもしれないからだ。

それは痩せるとか血糖値が下がるとかのピンポイントな結果ではなく、
「心身を全体から見て、不健康になる可能性がある」という意味である。

そもそもなんで、今の日本人が糖質の摂り過ぎで制限法が叫ばれるようになったのか?

それは糖質自体に問題があるのではなく、摂り方に問題があると私は思う。

現代の食事の仕方

昔はお米をたくさん食べても糖尿病にはならなかった。それはやはり現代との食べ方の違いじゃないだろうか?

昔のおかずは、梅干や漬物、焼き魚など質素だった。そしてご飯をたくさん食べて満足感を得ていた。

現代の炭水化物の摂り方はどうだろうか?

カレーライスに、牛丼などの丼物。油がたくさん入っているサンドイッチやパスタやラーメン。

そう、つまりほとんどが炭水化物(糖質)と油のセットで食べているのである。

炭水化物(糖質)は油分が加わるとてきめんに肥満まっしぐらになってしまう性質があるのだ。

次に食べ過ぎ。

糖質制限をする前に、毎日の食事を腹八分目で抑えれてますか?

腹八分目とは、「もう少し食べれそうだなぁ・・」というところでストップする食べ方。

だからこそ、ゆっくり味わって食べようという気持ちになるし、それによって血糖値の上がり方も緩やかになる。

糖質制限法を考えている人は、まずはもう一度、自分の毎日の炭水化物(糖質)の摂り方を振り返ってみてから、考えてみてほしい。と私ニャニャまるは強く思う。

で、結局、お米は悪者なのか?

この記事のタイトル通り、結局、お米は本当に肥満の原因になる悪者なのか?

私ニャニャまるはあらゆる面から考えてみた結果、自信をもって、NO!と言いたい。

しかし・・

私自身、個人的にお米が大好きであり、お米中心の食事に変えて体調が良くなった経緯があるため、
糖質を味方する記事内容になってしまいました・・

確かに栄養学的に考れば、糖質制限法は有効だと思う。

だけど・・

それは、あくまでも、糖尿病や、アレルギーをもっている人など、辛い持病で苦しんでいる人たちに対してだと思う。

しかし、

一般的に健康体な人ならば、無理に糖質を制限してもメリットよりもデメリットの方が大きい気がしてならないのだ・・・。

お米などの炭水化物をストップしたり、控えめにすると、その分、しっかりとタンパク質と脂肪でエネルギーを補う必要があるため、まず、手間がかかるし、そしてお金もかかる。

また、おかずが増えることで、食品添加物の摂取も一緒に増えてしまう。

それに対して、ご飯をメインにすると添加物は極力おさえられる。

お金もかからない。質素なおかずがベストなので手間もかからない。

なので、糖質制限法は、糖尿病やアレルギーなどの持病に苦しむ人には有効だが、

一般的に健康的な人は、お米(炭水化物)はきちんと摂取した方がいいと思う。

ただし!

●ご飯とおかずは6:4の割合で、
●質素なおかずで、
●良く噛んで、
●腹八分目にしておく

このポイントを守る食べ方をしておけば、糖質制限をしなくても良い体質を維持、または不調を改善できるんじゃないかと思う。

お米は決して悪者ではない。

正しい食べ方をすれば、100年前の日本人のように、ガンガン肉を食べる大柄の外人さんがびっくりする持久力をこれからも持ち続けることができると私ニャニャまるは思います。

 

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心を込めて握ったおにぎりは美味しさも格別♪

➡ 糖質制限法は肥満の人、糖尿病の人には有効な方法
➡ 糖質制限法をする時はタンパク質と脂肪をしっかり摂ること
➡ 一般的な健康体の人はまず炭水化物の摂り方を見直してみる
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