食べる物や治安が不安定だった昔に対して現代を生きる私たちはとても恵まれているといえる。

 

しかし、だからこそ、大きな悩みに直面することになってしまった。

 

それが、自律神経失調症やうつ病だ。

 

また、現代に増加してきた生活習慣病やアレルギーなども同じである。

 

なぜ、そうなってしまったのか?

自律神経の乱れを正さないことには、どんなに良い医者にかかっても、良い薬を飲んでも、根本的な回復はできないと私は思う。

 

それには、現代人と自律神経との関係にいったい何が起こっているのか?を知らなくてはならない。

 

今回はさらにくわしく、自律神経と現代人の欲求とのギャップについて探っていく。


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病気はあなたを守るため

何度も書いてきたが、自律神経の目的は生命を維持すること。それも一分一秒長く!である。

 

🙁「じゃあ、なぜ、自律神経は乱れて病気を起こすの?」

 

そう、確かに自律神経は乱れて、病気を起こし、見方によっては命を縮めてしまっているかのようにみえる。

しかし、それはあなたを守るためなのだ。つまり一分一秒でも長生きさせるためなのだ。

 

病気=悪い

ではなく

 

病気=天然の治療

として考えるのが正しいと思う。

 

風邪のとき高熱が出るのは、侵入してきたウィルスを殺すためであり、咳や鼻水、下痢は排出するためである。

 

人間の体内には素晴らしい薬局と医師がきちんと常駐しているのだ。

 

これを自然治癒力という。

 

 

命を縮めるだけの怖いイメージがあるガンも、汚れてしまった血を浄化するためにできるといわれている。

病気はこのように、カラダを健康な状態に戻すためのプロセスだといっていい。

しかし、自律神経だってほんとは病気なんて起こしたくないはずだ。

だが、自律神経の願いとちがうことを私たちがしてしまうのが原因なのである。

自律神経の願いとのギャップ

自律神経の願いは何が何でも生命維持と一分一秒長く生きること。

それを守るためなら、ストレスという武器を使ってあなたを必死に止めようする。

 

前の記事「3.昔と現代の欲求ちがい困る自律神経」に書いたが、
現代人のストレスが、もし昔のように欲求ピラミッドの第1、2段階の生命を維持するためのものなら自律神経はものすごく頼りになる。

 

なにがなんでも守ってくれるだろう!

 

だが、前回の記事でも書いたが、

 

現代人の欲求は、「生命の維持」という点からみれば、ぶっちゃけいうと不必要なのである。

 

だって、ひとりでいても、べつに他人に評価されなくても、自分を表現できることを成し遂げなくても生命は維持できるわけなのだから!

 

むしろ、自律神経からすれば、そんなことはしてほしくないのである。



頭の古い自律神経

私たちがお腹いっぱい食べれて、治安が守られるようになって、まだ100年ほど。

人類の誕生は諸説あるが700万年前といわれている。

 

人類のほとんどは飢餓と危険な時代であり、いまだに自律神経はこの古い時代に合わせたままなのだ。

 

あなたは夜になるとお腹がすきませんか?

もう寝るだけなのになぜだろう?と思ったことはありませんか?

私たちの思考では「明日になったらまた食べられる」と知っている。

 

しかし・・

カラダはつい最近まで飢餓状態だったため、対応した古いシステムのままである。

「明日は食べれないかもしれない!だから目の前にあるなら食べておいて夜の間に脂肪にして蓄積しておかなきゃ!」
となるのだ。

 

たとえるなら、自律神経ってのは、いまだに考え方の古い老人のようなものかもしれない・・

自律神経との付き合い方がうまくできない

このように自律神経は私たちを命から全力で守ってくれている、つもり、なのである。

そして、自律神経が現代でもっとも過敏に反応しているのが日常のストレスだ。

 

現代人の欲求は、どれも命には関係ないため、自律神経からすれば、無用な欲求はやめにして、できるだけ何もせずに、ストレスの原因は作ってほしくない。

 

欲求ピラミッドの第3、4、5段階の欲求がうまく成功すれば良いが、そうじゃなければ多大なストレスが生じる。

 

つまり、食べ物が十分にあり、安全な場所で暮らしているのならば、そこで何もせずにジッとしておいてほしい。それが自律神経の願いなのだ。

 

🙁「そんなのいやだ!素敵な恋人がほしい!認められたい!もっと自己表現できる仕事がしたい!」

 

しかし、そんな私たちの欲求なんて自律神経は知ったことでないのだ。

素敵な恋人が欲しいと果敢に挑戦したり、ギターを抱えて音楽界を目指したり・・・そんな夢はもたず・・・

 

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とにかくジッとしておいてほしいのだ。ストレスを生む、未知な冒険に出ようなんてせずに。

 

そんな自律神経の願いは不安という形になってまずあらわれる。

 

それは「病気は自分の心が作り出している」の記事でも書いたが、
本当にイヤなことならば、自律神経が伝えてくる不安で、私たちは行く道を修正するきっかけにもなる。

イヤなことをイヤイヤながらすることほどストレスがたまることはないからだ。

 

しかし!「本当にしたいこと」ならばどうすればいいのだろう?!

 

それであっても自律神経は容赦なく不安を送り出してくる。

交感神経を強く働かせ、ストレスをかけ、生命維持の目的いがいに、私たちがよけいな欲求を起こさないようにうながしてくる。

 

自律神経が良かれと思ってしてくれていることは、現代に生きる私たちには余計な親切になっているのだ。

 

昔とちがい、現代に増加している自律神経失調症やうつ病は、古い考えのままでいる自律神経と、現代人の欲求との間にギャップが生じ、上手に付き合えなくなっているせいでは?と思うのである。

 

次回、5.自律神経とうまく付き合うための基本つづく・・・