生きている以上、私たちにはたくさんの不安がついてまわる。

その不安は大きく分けると「現実的な不安」と「精神的な不安」に分かれる。

 

【現実的不安】とは、

 

🙁 「家をローンで買ってしまったが自分の収入で払っていけるだろうか?」

 

🙁 「勉強が足りていないから明日の試験は大丈夫だろうか?」

 

など、きちんと理由がつかめていて起こる不安。

 

 

 

【精神的不安】とは、

 

🙁 「あの人は自分のことを嫌っているのではないだろうか?」

 

🙁 「明日、身体の調子が悪くなったりしないだろうか?」

 

など、はっきりとは理由がつかめていないのに起こる不安。

 

 

今回の記事では、【精神的不安】についてあなたと一緒に考えていきたい。

 

【精神的不安】が起こるのは、もちろん体調もあるが、大半を占めているのは人間関係である。

 

そこで、この人間関係によって起こる、いつまでたっても消えない不安の対処法について考えてみよう。


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人は皆さみしい

理由がはっきりしないのに精神的不安になるのは、ほとんどが他人との摩擦で起こる「人間関係」だ。

 

人と会う前は「嫌われないだろうか?」と不安に・・  😥

 

自分の意見を言ったら周りから「でしゃばり」だと思われないか不安に・・  😥

 

自分の弱い部分が人前で明るみにならないだろうか不安に・・  😥

 

失敗をして上司の信頼を失うのではないだろうかと不安に・・  😥

 

上司は責任あるポジションにおいて役割を果たせるだろうかと不安に・・  😥

 

 

このような人間関係による不安の共通点は・・

自分の価値が下がるかもしれない
見捨てられてしまうかもしれない

このことが根底にある。

 

そう思ってしまう理由は「人は皆さみしい」からである。

 

もし、あなたが世界中でひとりぼっちになっても全くさみしくないならば、このような人間関係の不安は起こりもしないだろう。

ひとりぼっちでも平気ならば、相手に嫌われようが、見捨てられようが、どうでもよくなるからだ。

 

でも、人間はどんなに強がってもひとりぼっちで生きていくことができない。

だからこそ、人間関係による精神的不安は起こらないように落ち着かせてあげることが大切なのだ。

なぜなら、不安を大きくしすぎると不幸から離れることができなってしまう。

 

【よく知らない天国より、勝手知ったる地獄】

 

という言葉がある。

味わったこともない理想的な未来よりも、今いる状況の悪い場所の方がまだ安心だ

という意味である。

 

不安というエネルギーはドンドン成長していくと、自分に自信がもてなくなっていく。

新しい未知なる所にいくことに対しても、そこにはさらに大きな不安が待ち構えているのではないかと恐れる。

そして無気力になってしまうのだ。

 

たとえば、恋人のひどい仕打ちを受けても別れることができない人がいるとする。

これは今の状況よりも、別れてひとりぼっちになってしまう不安の方が大きくなってしまうことにある。

それは恋人同士だけでなく、夫婦、兄弟、会社仲間、学校仲間など・・あらゆる関係で「さみしい」という不安はおこる。

 

「ぼっち」になるよりは、不安を抱えたまま気の合わない仲間でも一緒にいたいと思ってしまうのだ。

それだけ、人は、ひとりではさみしい、誰かと一緒にいたいという気持ちが強い。

「本当にイヤ」な時の不安は消えない

1.病気は自分の心が作り出している」の記事でも書いたように、不安というエネルギーは、私たちの心の健康に強い負のエネルギーをもたらす。

しかし、不安というエネルギーがもたらしてくれる利点もある。

それは、いまの自分の居場所、もしくは、これから行こうとする場所が、本当に心から良いと思っている場所なのか?ちがうのか?それを不安が教えてくれる目安になるからである。

 

本当に今いる場所が心から望むことならば、その不安は一時であり、地面を濡らした雨のように、太陽が輝けば蒸発して消えていく。

 

しかし、

 

今いる場所が、「本当はイヤだ」と思っている、その不安は、地面にこぼれた油のように、太陽が輝いても蒸発しない。そして何日たっても消えはしない。

しかも、その不安が大きくなればなるほど、その場所から余計に離れることができなくなってしまう。

消えない不安からは「逃げる」

消えない不安は、何か別のことをして気をまぎらわせようとしても絶対にしずめることはできない。

楽しい気晴らしが終わってしまえば、またムクムクと心の底から湧き上がってくる。

消えない不安をしずめる方法はたったひとつ

 

今の現状から「逃げる」ことだ。

 

消えない不安に背中を向けて「身を守ろう」としてしまうから、不安はドンドン成長してしまうのである。

 

激流の川の中でおぼれているのに、そのままでいたら、死んでしまう。

すぐに激流の川から、流れの穏やかな川へ移動しなければいけない。

 

それには、勇気をもって、今の現状を「守る」ではなく「逃げる」ことが必要なのだ。

他人に媚びず、自分を持つ

人はひとりぼっちになって孤立してしまうのが怖い。

そのため、他人に気に入られるために、自分の意志に反した行動や言動をしてしまうことがある。

それを他人に媚びる(こびる)という。

媚びると同じ意味の言葉には・・

ゴマをする、ご機嫌をとる、ペコペコする、顔色をうかがる、イエスマンになる、おだてる、へつらう・・などがある。

 

あなたはどっちの人物になりたいだろうか?

他人に媚びて、自分の意見がなく多数の人たちの中にいる人物

他人に媚びず、自分の意見があるためにひとりになってしまう人物

社会的な立場からいうと、この「媚びる」というのは、安定したポジションを手に入れることができる。

一見、「勝ち組」といわれるような立場になることができる。

 

しかし、媚びて、気に入られるために人の輪の中にいても、ひとりになるととたんに弱くなる。

そのため、人間関係から起こる摩擦に弱く、自分を追い詰め、うつ病などを発症してまうリスクが大きい。

 

対して、他人に媚びずに孤立してしまう人は、社会的な立場では不利になってしまうかもしれない。

しかし、ひとりになることに強く、人間関係から起こる摩擦にも強く、うつ病などを発症してしまうリスクが小さい。



子供の頃の不安は今のあなたには必要ない

「ひとりになると寂しい」と思ってしまうのは、子供時代の不安を引きずっている場合が多くある。

子供は親に対して、「認めてもらえない不安」というのをいつも抱えている。

 

たとえば・・

 

😥 「テストで良い点をとらなければ褒めてもらえない」

 

😥 「素直に親の言うことをきいていなければ怒られる」

 

といった、精神的な不安である。

 

でも、大人になったあなたはもう子供の頃のように親に認めてもらうために行動する必要はない。

親の言うことをきかなければ怒られると不安になりビクビクする必要はない。

 

子供の頃は、親との信頼関係が重要だった。

でも、大人になれば、信頼関係を築ける人は自力で探さなければならない。

そのためにも、子供の頃から引きずっている不安は捨ててしまうことだ。

他人に媚びてしまうと良い出会いを失う

ひとりになるのが怖くて、他人に媚びつづけていくと、良い人間関係に恵まれなくなってしまう。

私たち日本人はとくに、「仕事熱心であること」「勉強熱心であること」

つまり、「真面目であること」を一方的に良いことだと思ってきた。

 

だが、本当にそうだろうか?

 

その「仕事熱心」が「真面目」が、自分のためではなく、他人に気に入られるためだとしたら、それは良いこととはいえないのではないだろうか?

 

世の中には気軽に仕事を頼んでくる人もいる。

しかし、気軽に頼まれた仕事を全力であなたがこなしても、頼んだ相手はそんなに大変なことをしてもらったとは思ってくれない。

そんなあなたを、さらに利用しようと近づいてくるようになる。

 

それでは、いつまでたっても、本当の信頼関係を築ける人に出会うことができない。

怖いという思いは幻想

じつは、あなたが「こうしなければ大変なことになる」と思っている不安のほとんどは大変なことにはならない。

あなたが怖いと思っている人物も、じつはただのウサギで、あなたが勝手に怖いクマだと感じているだけである。

 

決して、相手の顔色をうかがって媚びる必要はなく、あなたはあなた自身そのままでいていいのだ。

 

曲がっている木を見て、「真っ直ぐです」と言う必要はない。

 

「曲がっています!」と言っていいのだ。

 

matu

 

 

インディアンの言葉でこのようなものがある。

 

すべての人に尊敬をはらい、ただの一人にも媚びるべからず

 

あなたが抱えている人間関係の不安が、すぐに蒸発していく一時の不安ではなく、ずっと消えない不安だとしたら、

 

まずは一番に自分を大切にしてください。

 

そして、その場から「自分を守る」ではなく「自分を逃がす」ことを考えてみてください。

 

完全に逃げることができなくても、じょじょに今の場所から遠ざかる努力。

たとえば・・

■今までは話したことがなかった人に話しかけてみる

■今まではしたことがなかったことに挑戦してみる

■無理なことはあきらめて他の人に頼ってみる

 

ほんの小さなことからでも始めてみてください。

そうすれば、今まで曇っていた自分自身が鮮明になり、本当に自分が心から行きたい場所が必ず見えてくるはずです。