人間は60%が水である。
そして地球は水の惑星である。
「人間と水」のシリーズで、私は、「水で地球と人間はつながっている」と書いた。
(参照:人間の水分の働き)
さらにそれに加えて、
「塩でも地球と人間はつながっているんじゃないか?」
と私は思う。
なぜなら、塩のふるさとは海水だからだ。
ご存知のように、私たち生命体は海から生まれた。
人間と塩の関係・・・それは古代の海までさかのぼると、私たち生命体の原点が見えてくる。
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生命の体内水分は海水と似ている
今から約35億年前。地球上ではじめての生命が海で誕生したといわれている。
その後、いろいろな生命が生まれていき、古代の海でじょじょに進化していった。
その頃、生命はまだ細胞だけだった。海の中で、細胞が直接ただよって暮らしていた。
そして、生命体は皮膚という外界との境界線をもち、最初の哺乳類の先祖が陸地へと上がっていく。
この時、私たちの原点となる生命体は海をあとにしながらも、その体内にはしっかりと海を抱えて陸地に上がったのだ。
😯「え?体内に海を抱えてってどういうこと?」
それは生物の体内水分のことである。
じつは体内の約60%を占める水分は、海水の成分とそっくりなのだ。
私たち生物は、地球に存在する92種類の元素のうち30種類の元素でほぼ成り立っている。
人間の元素は、多いもの10個をあげると、
水素、酸素、炭素、窒素、カルシウム、リン、イオウ、ナトリウム、カリウム、塩素となる。
これはリン以外、海に多く含まれる10個の元素と同じなのだ。
ということは、「私たちは体内の中に海を抱えて生きている」ってことになるのだ。
さらに、妊娠したお母さんのおなかの羊水も海水の成分に似ている。
また、進化の過程も、妊娠と出産にとてもよく似ている。
細胞の受精卵からはじまる赤ちゃんは、お母さんの羊水というおなかの海で命を育まれていく。
初期の頃は、タツノオトシゴのような形で、エラや尾のようなものもある。
お母さんのおなかの海で、じょじょに人間の形に発育していき、そして約270日間をへて、この世に誕生する。
それはまるで、古代の海で細胞の生命体が誕生し、皮膚ができ、陸上にあがったときと同じではないか。
このように考えてみると人間の体というのは本当に地球そのものと密着しているんだなぁとつくづく思う。
いくら進化し、海から出て陸地で生活するようになり、現代のようにビルに囲まれた都市に住むようになったとしても、それはなにもかわらないのだ。
人はみんな生まれながらに、それぞれの海を体内に抱えて生きている。
いま、地球の海は環境汚染によって苦しんでいる。
そして私たちの体内の海も同じになっているのではないだろうか?
体内の海の汚れ
人間の体内水分はまさに「体内の海」であり、その成分のバランスとなっているのが塩だ。
人間は海から生まれてきた動物です。
血液の成分だって、おどろくほど海水のそれと似ています。
すなわち人間は1%の塩漬け生物であるともいえるのです。
それが塩なしで生きれるはずがありません。引用元: 逆転の健康読本 / 青木久三著
もし人間の体内に塩分が足りなければ、体内の海は淡水になってしまう。
わかりやすく、家で飼える海水の観賞魚にたとえてみよう。
水槽で海水魚のクマノミなどを飼う場合は、水槽の水を海水と同じにしてやる必要がある。
しかし、精製塩を水槽の水に溶かしても海水にはならない。
なぜなら、精製塩には海水に含まれるカルシウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれていないからだ。
精製塩を溶かした水では、海水ではないため、クマノミは健康を保つことはできない。
これと同じことが、人間の体内でもおこっているのではないだろうか?
水槽を泳ぐクマノミを私たちの細胞にたとえると、水槽の水は、体内水分である。
水槽の海水すなわち、体内水分が、まちがった減塩により、塩が足りてない状態だとしたら?
たとえ塩をとっていても、ミネラルがない精製塩の水だったとしたら?
海水ではない水槽に入れられたクマノミはしだいに弱っていく・・
同じく、私たちの体内の海にいる細胞も弱っていく・・
健康になるためには、体内の60%の海をきれいにすること。
そして、塩を摂り、その成分をバランスのとれたものにすることが基本なのだ。
海は生命を宇宙とつなげている
私は「人間と水」の記事で地球の水と人間の体内水分はつながっていると書いた。
地球の水のうち、97.5%が海である。
ということは、私たち生命体はすべて海とつながっているといっていい。
それを証明するように体内水分が海水と同じ成分というだけでなく、生命体はあらゆる面で海とつながっている。
そして海を通して宇宙とつながっているのだ。
どういうことなのか?
海の水は満ちたり引いたりする干満がある。
これは月の引力の影響でおこる。
人間は、体内に約60%の海を抱えている。ということは海の干満と同じように月の影響を受けているはずだ。
一番そのことを実感できるのが女性だ。
女性の月経周期は月の満ち欠けのサイクルと同じである。
さらに、人間の赤ちゃんの出生率は満月の夜に多いといわれている。
また海が満潮になる夜にアオウミガメは砂浜に上がり産卵をおこなう。
珊瑚の産卵もおなじく満潮の夜だ。
生命のサイクルは月のサイクル、すなわち宇宙のサイクルと大きく結びついている。
宇宙と人間・・・
それをつなげているのが体内の海だと私は思うのだ。
人間の健康は自然のサイクルと同じになってこそ成り立つと私は思う。
だが、それは「人間の体内の海が、自然界の海と同じ成分を保ってこそ」
同じサイクルになるのではないだろうか?
体内の海に塩が足りない
増加していく多くの生活習慣病、ストレス、認知症など・・
これらの不調は体内の海に塩が足りていないために、自然界の海とちがうものになったことが原因のひとつだと私は思う。
私たち人間をふくめた生命体のふるさとは海であり、宇宙である。
塩は人間の体内の海のバランスをとっている不可欠な物質である。
体内の海のバランスが崩れてしまえば、宇宙としっかりつながることができなくなってしまう。
減塩運動がはじまってから約50年・・・
いまでも厚生労働省は1日の摂取塩分を10g以下にしましょう!いっている。
病院にいって、少しでも血圧が規定の数値より高ければ医者に「塩分をひかえめに」といわれる。
塩を一律に悪者にしてしまう前に、私たちは、まず、もっと塩のことを詳しく知る必要があると思うのだ。
次回、「3.世界を動かしてきた塩」つづく・・・