「ピロリ菌は悪い菌だから除菌しましょう!」

テレビなどの健康情報番組ではピロリ菌がいかに悪い菌であり、私たちの胃の健康に危害を加える元凶であるかのように紹介されているが、それは本当なのだろうか?

そんなにピロリは悪いヤツなんだろうか?

私ニャニャまるは少しひねくれ者なので、この手の番組を見ても、

😯 「そうなんだ!すぐに除菌しなきゃ!」

とは、どうしても素直に思えないタチなのである・・。

てなわけで、今回の記事は知っているようで実はあまり深く知らないピロリ菌について探っていく!


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ピロリ菌とはなんだ?

よく耳にするようになったピロリ菌。

ピロリ、ピロリ~♪
と何だか、かなりふざけた名前だが、正式名はへりコバクターピロリという。

ヒトの胃に住みつく、見た目からかなりワルな雰囲気をかもし出している細菌である。

顕微鏡でやっと確認できるほどの小さなピロリは、ねじれた身体に長い毛のようなものが何本もあり、それで胃の中を活発に移動するという・・動き方までワルな感じがするヤツらである。

発見されたのは、1982年であり、実はまだまだ最近の話だ。

しかし世界人口の約50%がピロリに感染しているといわれ、日本でも同じく50%の人の胃にピロリは住みついているといわれている。

ところで!あれ?胃の中って・・?

😯 胃の中にはめっちゃキツーイ胃酸があるやん!なんで死なないのよ!?

ですよねぇ。なんでだろうか?

ピロリ菌が胃の中で元気なワケ

ピロリ菌が強い胃酸の中でも生きていられるワケは、ウレアーゼという酵素を生み出すからである。
このウレアーゼは胃酸をアンモニアと二酸化炭素に分解する。

そしてこのアンモニアを使って胃酸を中和させてしまい、快適な環境を作り上げてしまうのである。

つまり胃酸という何でも溶かしてしまう雨の中、ウレアーゼで生み出したアンモニアという傘をさして、身体を守り、胃の中でも平気で暮らせるわけだ。

ああ!このピロリ菌の環境適応力がうらやましい!欲しいよ!こんな能力が!

 

 

ところで、じゃあなんでピロリがいると胃に傷つくのか?

ピロリ菌が胃の壁に取り付くと細胞を弱める毒素を出し始める・・

するとそれを阻止しようと体の防衛軍である白血球がやってくるのだ・・・・

ピロリ 『わはは!快適快適!』

白血球 『そこの変な毛の生えたヤツ!何してんだ!』

ピロリ 『毛じゃねーよ!足なんだよ!ってか、お前誰だよ!誰なんだよ!』

白血球 『お前こそ誰なんだよ!』

ピロリ 『お前というお前こそ誰なんだよ!』

白血球 『そーゆー!お前というお前こそ○×△□!!!』

このようにピロリと白血球の戦いが勃発。

すると胃の粘膜は傷み、そして炎症し、胃炎や胃かいようの原因となってしまうのである。

ピロリと胃ガン

2013年、それまでピロリ菌の治療費の保険適用が「胃かいよう」と「十二指腸かいよう」などの病気のみだったのが「慢性胃炎」も対象になりました。

ピロリ菌の除菌が胃ガンの効果的な予防になる

というのが、その理由である。

ピロリ菌が胃の中で白血球と戦うことで炎症がおきてしまった胃の粘膜はじょじょに萎縮していき、これがもとで胃がんを発症してしまうのだ。(萎縮性胃炎)

現在では胃がんのほとんどがピロリ菌によって発症することが証明されている。

確かに胃かいようや十二指腸かいよう、そして胃がんになる原因はピロリらしいのは事実のようである。

しかし!まってほしい!

ピロリがなぜ元気になるのか?

胃がんの原因に確定されてしまったピロリ。

しかし実際に、ピロリに感染している人で胃がんになる人は年間わずか1%にしかすぎない。

ピロリに感染している人が世界人口の50%ということは、よく考えてみればそれだけ、昔から我々の体に密着してきた菌であるともいえる。

ピロリはいつも活発に動いて暴れまくっているわけではない。もしそうなら人類の半分が胃の痛みに苦しんでいるはずである。

実はピロリは体内の免疫力がしっかりしていればおとなしくしている菌なのである。しかし免疫力が落ちると暴れだす。

そしてそんなピロリが大暴れし、免疫を下げる原因となり、胃がんまで導く条件がこの3つであるとされている。

1.高血糖
2.タバコ
3.塩分

この3つの条件がピロリと合体することで胃がんを発症するリスクがグンと高くなるのだ。

胃がんを起こす危険性を高めるものが、最新の研究で、3つ明らかになっています。  まず高血糖。「ピロリ菌感染+高血糖」の人は、「ピロリ菌なし+血糖正常」の人の4倍、「ピロリ菌感染+血糖正常」の人の2.2倍胃がんになりやすかったのです。  次に喫煙。「ピロリ菌感染+喫煙」の人は、「ピロリ菌なし+非喫煙」の人の11倍、「ピロリ菌あり+非喫煙」の人の1.6倍胃がんになりやすいのです。  最後に塩分のとりすぎ。これは動物実験ですが、「ピロリ菌感染+がんになりやすい薬+塩分とりすぎ」は、「ピロリ菌+がんになりやすい薬+塩分正常」に比べて3倍も胃がんになったのです。

引用 土浦市医師会

確かにこれは本当にそうだと思う。

テレビでも

「高血糖とタバコと塩分摂り過ぎの条件がピロリ菌と重なると胃がんを発症するリスクが高くなるります!
だからピロリ菌を除菌してしまいましょう!」

と言っていた。

しかし、ひねくれ者の私ニャニャまるの耳には・・

😛 「ピロリ菌を除菌すれば高血糖、塩分摂り過ぎも大丈夫!タバコだって吸えまっせ!」

・・・こんなふうに聞こえてしまうのである・・

ピロリを除菌すると胃ガンにならない?

ピロリを除菌すれば胃ガンにはならないと思っている人がいるがそれは間違いである。

なぜならば、胃ガンの前段階となる萎縮性胃炎は年をとることでも胃の粘膜が薄くなり萎縮してしまうからだ。

若者であっても油断はできない。近年のファーストフードやコンビニなどの乱れた食生活をしていると胃は確実にダメージを受け、萎縮してしまうことがあるのだ。

ピロリの除菌の必要性

ピロリを除菌しよう!と最近やけに医療機関が叫ぶようになってきた。

しかし・・

ピロリ菌がいかに悪いヤツで、いかに危険か!

というデメリットばかりが取り上げれている気がしてならない。

だが、ピロリを除菌した人が逆流性食道炎を発症するリスクが高まるという報告もある。

ピロリはおとなしくしている時は決して悪いことばかりするヤツではないのだ。

しかし、すでに胃かいようなどの症状が出てしまっている人は除菌した方が良いと思う。

ピロリを除菌することで胃かいようの再発を防ぐことができ、そして胃ガンに進行する危険性を小さくすることができるからである。

最終判断は人それぞれ

もし、あなたの胃にピロリ菌がいるとしよう。暴飲暴食した時に胃がもたれるくらいならば、こちらの医師が言われているように、私ニャニャまるも、別にピロリを除菌する必要はないと思う。

今まで何の症状がなかったのに除菌治療後に色んな症状が出て、必要のなかった薬を飲むようになってしまってから後悔してもどうにもなりません。 特に症状のない胃炎で除菌治療を受けようと思っている人はもう一度良くお考えください。

引用 医療法人 八子クリニック

このように除菌することでのリスクがあることも忘れてはならない。

しかし、若いうちに除菌しておくことが胃かいよう、さらに胃ガンの予防策には効果的だという意見も見逃せない。

なので、ピロリを除菌するべきか?否か?

・・その最終判断は医師としっかり相談しながら、結局どちらかを決めるのは人それぞれだと思うのだ。

では、今回の記事で私ニャニャまるが何を伝えたかったというと、それは・・・

「ピロリ菌ばかりを悪者にしたらダメ!」

ということである。

別にピロリの肩をもつわけではないけれど、ピロリの存在には必ず理由があるんじゃないのかと思う。

とかく、物事は、なにかのせいにすればラクになるものだ。

つまり、それはある意味、逃げの考え方のような気がしてならない。

このような安易な気持ちでピロリを全滅させても、生活・食生活が乱れたままならば、また別の形で体に不調があらわれるのではないかと・・つい思ってしまうのです。

除菌のメリットとデメリット

ここでもう一度、ピロリを除菌するメリットとデメリットを確認しておこう。

<除菌をするメリット>
1.慢性的な胃かいように歯止めができる
2.胃ガンの予防策になる
3.ピロリがいるという不安から解放される
<除菌をするデメリット>
1.保険適用外になると費用が多くかかる
2.除菌治療薬の副作用の心配(下痢など)
3.除菌後、逆流性食道炎を発症するリスクが高くなることがある
4.除菌によって胃ガンが発症しないという保証はない

除菌と合わせて生活・食生活も見直そう

ピロリを除菌するにしても、しないにしても、まずはもう一度、生活・食生活を見直してみよう。

ピロリから胃ガンに進行する要因が「高血糖・タバコ・塩分」という事実があるように、まずはピロリが暴れない生活・食習慣をすることも、重要なことではないだろうか?

ピロリによって胃が不調になるワケ・・それは

😥 「もっと自分を大切にしてくれ!」

と、いう体からの叫びなのかもしれない。

 

➡ 高血糖・タバコ・塩分の3つが重なると胃ガンのリスクが高まる
➡ ピロリだけのせいにせず、正しい生活・食事を見直してみる
➡ ピロリの除菌は除菌後のことも含めて医師と相談し判断する
➡ すでに胃かいようの症状が出ている人は早めに検診を


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