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アカントアメーバ・・・・

何だすごく不気味な名前だが、じつは私たちの身近にいる原生生物だ。

ここ数年の間に激増したコンタクトレンズ使用者で、アカントアメーバに感染する人が出てきている。

とくにカラーコンタクトレンズの普及などにより、目を大きく見せるために気軽にレンズを付ける人が多くなった。

だが、、コンタクトレンズは目に直接あてるものである。

アイブロウペンシルで眉毛をキュキュッと太くするのとはまったく違う。

もしも使用方法をきちんと守らなければ、アカントアメーバの危険がしのびよってくるのである。

今回は、ソフトコンタクトレンズで失明しないためにも、この怖いアメーバから目を守る方法がテーマである!


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身近にいる恐怖

アカントアメーバとは、土の中でも、水の中でも、ホコリの中でも、私たちの周りのどこにでもいる原生生物である。

細菌を食べて増殖するこのアカントアメーバは、通常、ヒトの体に感染することはまずない。

それは、ヒトの体には免疫システムがあるため、侵入しようとしてもしっかりと守られているからである。

だが・・

ここ数年のコンタクトレンズ使用者の増加にともなって、このアカントアメーバに角膜から侵入されてしまう人が出てきた。

原因は、「レンズの洗浄などの管理不足」、「使用方法の間違い」などから角膜にキズがつき、そこから侵入されてしまうのだ。

危機意識のない管理と使い方

🙂 「ワンデータイプだけど、そのまま次の日も使っちゃったー♪」

😛 「二週間タイプだけど、たまにめんどーくさくてそのまま寝ちまうわ」

こんな使い方をしていると、目は酸素不足に!そしてレンズの汚れにより、アカントアメーバが喜んで増えていく・・

ある日、いきなり、目がすごおく痛くなって慌てて眼科に駆け込む!なんてことに・・なりかねない。

涙が生命線

角膜も細胞のひとつ。しっかりと呼吸をしなければ生きていけれない。

しかし、角膜には血管がない。血管がなければどうやって角膜に酸素が運ばれてくるのか?

それは涙である。

涙は角膜にとって血液と同じであり、酸素を運んできてくれ、呼吸をすることができる、まさに目の生命線。

だが、レンズを付けたまま眠ってしまうと、レンズが長時間、角膜に貼り付くことになり涙の出が悪くなる。

いくら高い「酸素透過性タイプ」のレンズを使っていても、使用方法や管理をおろそかにすると、
角膜は酸素不足になってしまう。

角膜「く、くるしい~~・・くるしい~・・・」

大切な大切な自分の目の角膜をこんなふうにいじめちゃってませんか?

アカントアメーバ恐るべし

管理不足や、誤った使用で角膜に異常ができると、待ち構えていたかのようにアカントアメーバが侵入しようとする。

アカントアメーバにいったん感染してしまうと、角膜は白くにごり、表面がデコボコになり、そしてグンと視力が悪くなる。

それだけではない・・

じつは今だに、特効薬がない・・のである。

治療には角膜を削るなどの方法となり、治るまでに何ヶ月もかかる。重症になれば失明の危険もある。

なので、とにかく予防。

予防することが、なによりも、アカントアメーバから目を守る手段なのだ。

アカントアメーバに隙を見せるな

アカントアメーバの角膜侵入を防ぐには、まず、きちんとしたレンズの管理が必要である。

たとえ、付け置きでオッケーな洗浄液タイプでも、こすり洗いをした方がいい。

また、レンズを保存しておくケースもしっかりと洗って、乾かし、清潔に保つ必要がある。

長く、ケースを使って、ヌメヌメしてきたり、取れにくいシミなどができたら要注意。

これは、バイオフィルムといって細菌を作り出す糖タンパクでできている。いったんこのバイオフィルムができると、
消毒液を入れても、バリアとなり、せっかくの消毒効果もなくなってしまうのだ。

つまり、汚いままのケース使用は、アカントアメーバをケースの中で、除菌ではなく、培養してしまっているのである。

国民生活センターがアカントアメーバを防ぐため、コンタクトレンズの使用者に次の5つのことを守るよう呼びかけている。

1.コンタクトレンズに触る前に手洗いをする
2.こすり洗いをしっかりとする
3.レンズケースを洗浄して清潔にする(3ヶ月に1度は交換)
4.定期的にレンズと目の検査をする
5.装用するまえに洗浄液ですすぐ

連続で使用しない

洗浄などの管理も大切だが、使用方法もきちんとしなければ意味がない。

とにかく重要なのは、決められた期間以上、長く使用しないこと。

1日使い捨てタイプは、毎日交換していれば問題はない。

用心して使わなければいけないのが、毎日ケアをしながら、2週間、1ヶ月と使っていくタイプだ。

毎日しっかりとケアをした上で、使用し、期限がきたらきちんと新しいものに交換しなければならない。

だが、毎日・・というのは、ケアにも慣れてしまい、ついついズボラになってしまいがち。

たとえば、レンズをしたまま、お風呂に入ってしまう人はいないだろうか?。

1日使い捨てタイプでも言えることだが、レンズをしたまま、お風呂に入ってはいけない。

お湯や、シャンプーや、メイク落としが目に入ると、レンズが角膜に吸着してしまうことがあるからだ。

 

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日帰り温泉などに行くと、帰りのこともあるから、ついつい、レンズを付けたまま、温泉へ・・・

なんてことはやめよう。

そのような時は、メガネを持参していくこと。もしくは、また新しいレンズを必ず使用する。

まずはしっかり洗浄

アカントアメーバは細菌がなければ繁殖することができない。

そのため、一番の予防策はしっかりとレンズを洗浄すること。

いま、使われているコンタクトレンズ洗浄液は3つのタイプがある。

1.MPSタイプ
2.過酸化水素タイプ
3.ポビドンヨードタイプ

この中でも一番よく使われているのがMPSといわれる、1本で洗浄も保管もできるタイプだ。

しかし、大きな欠点がある。

それは、消毒効果が弱いということ。

😡 「えー!じゃあ、どれ使えばいいってのよ?」

ご心配なく、アカントアメーバにも負けない洗浄液を使えばよいのだ。

過酸化水素タイプとポビドンヨードタイプ

アカントアメーバの消毒に適しているのは、過酸化水素タイプとポビドンヨードタイプである。

この2つのタイプは洗浄力が強いため、しぶといアカントアメーバもしっかり消毒してくれる。

【市販されている過酸化水素タイプ】
AOセプトクリアケア
※注意点
過酸化水素タイプの洗浄液は、すすぎには使用しないこと!
洗浄力が強いため、カラーコンタクトレンズには使用しないこと!
【市販されているポビドンヨードタイプ】
バイオクレン ファーストケア
カラーコンタクトレンズでもOK!
【やっぱり一本でまかなえるMPSタイプがいい場合】
メニコン エピカコールド 洗浄・保存・すすぎ・消毒(ソフト用)
レニューフレッシュ
この2つはMPSタイプだが、、国民生活センターが「ソフトコンタクトレンズ用消毒剤のアカントアメーバに対する消毒性能」
という調査を行ったところ、MPSタイプではこの2つの銘柄がアカントアメーバに強いという結果が出ている。※注意点 ただし、レニューフレッシュはレンズの素材がシリコーンハイドロゲルのものは相性がよくないのでやめておいた方が無難です。

こんな症状が出てたら眼科へ

アカントアメーバ角膜症や、それ以外のコンタクトレンズ障害(角膜上皮びらん、角膜潰瘍)などの症状は見落としやすい。

そのため、ある日、突然、目に激しい痛みを感じで眼科に駆け込む人がたくさんいる。

なぜか?

それは、コンタクトレンズ障害の症状がこの図のように、痛みや、充血など、疲れた時でも起こりやすい症状と同じだからである。

 

 

疲れ目との見極めはとても難しいが、レンズを外しても症状が続く場合は早めに眼科に行くべし!

増えるカラーコンタクトのトラブル

ここ、数年ですっかり人気者になった、カラーコンタクトレンズ。

目がくっきりと大きく見えるのが魅力的で、眼科の処方箋なしでもOKだから、気軽にインターネットなどの通販で購入する人が増えて、それに比例するようにトラブルも多発している。

 

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日本コンタクトレンズ学会(カラーコンタクトレンズ装用にかかわる眼障害報告 参照)

 

このように、カラーコンタクトレンズを使用している人の多くがインターネットなどの通販、またはディスカウント店で購入している。

もちろん、眼科の受診を受けずに購入している人がほとんど。

カラーコンタクトレンズをメガネと勘違いしてる人が多いのかな?・・・

これでは、アカントアメーバ角膜症や、その他の障害がおきても仕方ないといえる。

なぜなら眼科を受診していない購入は以下のリスクが伴うからである。

・自分の目に合ったレンズではないため知らないうちに角膜にキズがつく
・医師から説明を受けていないため、正しい管理方法、使用方法がおろそかになる
・定期検査をするかかりつけの眼科がない

このようなリスクがあることを知らないまま、使用している人が多いため、角膜症などの障害を発症する人が増えてきているのだ。

😥 「でも、眼科で処方箋だけ欲しいって言ったらと断られたし」

🙁  「眼科で購入すると、高いもん。ネットで買った方が安いしトクやん!」

確かに・・おっしゃる通り・・。

ではどうすれば良いのか?

やはり眼科に行くべし

近年の使い捨てソフトコンタクトレンズの登場により、使用者がいっきに増えたことで、活気が出ているレンズ業界。

確かに調べれば、眼科と、その他の量販売店との、レンズ使用者の奪い合いみたいなものを感じる。

「眼科が処方箋だけをくれないのは、利益が上がらないからだ」

実際、なかには、こんな眼科があるのも事実かもしれない。

でも・・
まってほしい!!

誰の目ですか?

合わないレンズを使って、定期検査をおこたって、角膜症を発症して、困るのは自分自身である。

視力矯正用のレンズはもちろんのこと、カラーコンタクトレンズも立派な医療用具だということを忘れてはいけない。

医療用具であるレンズの処方は、眼科の専門医にしてもらうのが当たり前ではないだろうか?

また、目の状態は、ずっと同じではなく変わることもある。

だから・・

やはり、コンタクトレンズは眼科にいって処方してもらい、定期的に目とレンズの検査をしてもらうのがベストだと思う。

ただ、やっぱりネットで購入する方が安いのも事実なわけで・・・・。

私ニャニャまるのおすすめは、

まず眼科できちんと自分の目に合ったレンズを処方してもらい、そのあとは、ネットなどで安く購入するという方法である。

しかし、やはり、定期的に眼科に検査をしに行くことを強くおすすめする。

アカントアメーバや、その他のコンタクトレンズ障害から目を守るには、

・自分の目に合ったレンズの処方
・正しい使用
・きちんとした管理
・定期的な検査

これらが全部揃って、始めて安全に使えると思うからだ。

日本は処方箋なしでコンタクトレンズが買えてしまう不思議な国である。

「自分の目は自分で守るしかない」

 

➡ 決められた期間を守り、連続使用はしない
➡ レンズに合った洗浄液で決められた方法で毎日きちんとケアをする
➡ レンズは眼科で自分の目に合ったものを処方してもらう
➡ 眼科で定期的に検査を受ける(3ヶ月に一度)
ニャニャまるのひとりごとはこちらから


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