交感神経が暴走してしまう理由
それは、過剰なストレスだ。
現代人はとにかくストレスにまいっている。
あまりにもストレスがたまりすぎ、それから逃れるために、タバコやお酒などに頼ってしまう人も大勢いる。
それでは、ただ単にカラダをいっときごまかしているだけで、自律神経はますます乱れていく。
今回は、交感神経が暴走する理由と、そして自律神経失調症やうつ病がなぜ起こるのか?を探っていく。
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止まれない交感神経
前回の記事「1.自律神経は命を守る自動装置」で、
肉体というクルマに乗っている例をあげたが、タイヤを交換するにはクルマを停車する必要がある。
しかし、交感神経が暴走しているとどうだろう?
夕方になっても、夜になっても、緊張感がとれない。
クルマはそのまま走り続ける・・・
止まらない・・・いや止まれない・・
タイヤ交換や給油ができないまま走りつづけ・・そして朝になる
そのまま、グッタリと会社や学校へ・・・
こんな生活を毎日続けていると、どうなるか?
交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、さまざまな病気の入り口となる自律神経失調症に。
そしてさらに悪化すると、うつ病になってしまう。
交感神経の方が優先される
交感神経と副交感神経
先述したように、自律神経失調症を起こす引き金となる交感神経はとても働きが強い。
なぜなら・・
自律神経=生命の維持
という点から見たとき、交感神経を絶対に優先しなければならない理由があるからだ。
たとえば、あなたがアフリカでキャンプをしていたとする。
夜になり副交感神経の働きのなか、グッスリと眠りにつくあなた
ガサ!!不審な物音にあなたは飛び起きる!
この瞬間、副交感神経から一気に交感神経にバトンタッチされる。
テントから出て、物音を確かめてみると、ライオンの姿がみえる。
血圧は一気に上昇!心臓はバクバク!カラダ中の毛穴が一気に開く!
さあ!逃げなければならない!命を守るために!
そのためには筋肉を動かさなければならないため、酸素や糖などの栄養素が瞬時に必要となる。
あなたは交感神経の働きで血圧を一気にあげ、血液を筋肉に届け、全速力で走る!
このように、命を守るためには、たとえ寝ていても瞬時に副交感神経から交感神経に切り替わる必要があるのだ。
もしも、このように交感神経が優先されず、副交感神経のままだとしたら、カラダには逃げるパワーが足りずライオンに追いつかれあなたは食べられてしまうだろう。
死んではなにもならない。
なにがなんでも、自律神経はそれを優先させるのだ。
交感神経は幅広くストレスを受ける
交感神経が優先的に働くのは私たちの命を守るため。
だが、たとえ、命の危険がないような日々のストレスでも作動してしまう。
そこが問題なのだ・・・
日々のストレスとは、
人間関係、金銭関係、生き方など・・
ふだん私たちがいつも抱え込みやすい悩みである。
他の記事でも何度も書いているが、不安のパワーは強力である。
ささいな不安でも何度も何度も繰り返していけば、そのパワーは巨大になる。
そして、その不安の元である思考を手放さない限り、そのパワーは持続し、交感神経の働きをドンドン強めていくのだ。
自律神経失調症とうつ病のちがい
自律神経失調症とは、うつ病の前段階だ。
ストレスで交感神経の暴走がはじまると、はじめのうちは交感神経が強く働いているため、なんとかがんばれる。
しかし、副交感神経によって修復できないカラダはじょじょに傷みはじめる。
それらの症状がまずカラダにでるのが自律神経失調症だ。
<自律神経失調症の主な症状>
眠れない、胃腸の調子が悪い、食欲がない、めまい、耳鳴り、頭痛、動悸、息苦しい・・・など
カラダはこれらの不調を抱えていても、なんとかがんばり続ける・・
しかし、修復できないカラダはいつかエネルギーが空になってしまう。
そして・・・
すべてのエネルギーを使い果たすと、もはや交感神経ですら正常に働かなくなる。
すると、カラダだけでなく、ココロにまで症状が出るようになる。これがうつ病だ。
<うつ病の症状>
やる気がない、笑えない、ボーとしてなにも考えられない、大事なことすらどうでもよくなる、死にたくなる・・など
私ニャニャまるもアトピー性皮膚炎の症状が悪化して、うつになった時、この感覚は実感しました。
家族に「気晴らしになにかしたら?」といわれてもまずその気力がでない。
カーテンすら開けようと思わない。
なにかをしたい
という人間の基本的な欲求自体がなくなってしまうのだ。
なぜ現代人に増加しているのか?
過剰なストレスによって現代人は、自律神経失調症とうつ病に大勢の人が悩まされている。
しかし、自律神経の仕組みを学んでいくと、その働きは本能であり、いつの時代でも変わらないはずだ。
なぜ現代になって、自律神経失調主やうつ病が増加するようになったんだろう・・・と私は疑問に感じた。
皆さんも不思議だと思いませんか?
では次回、「3.昔と現代の欲求ちがいに困る自律神経」つづく・・・