「人間と塩」シリーズの最終回。
陰性体質でこれから自然塩をきちんと摂って体質改善をしたい!
そう思っても・・
スーパーに自然塩を買いに行ってもあまりの種類の多さに悩んでしまう 😯
そこで、どれだけ種類があるのか、私ニャニャまるが実際にスーパーに行って見てきました!
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理想の自然塩とは?
自然塩は天日塩ならなんでもokと思っている人もいるがそれは間違いだ。
たとえばメキシコやオーストラリアなど輸入の天日塩は出来上がった塩を洗浄してマグネシウムなどのミネラルを排除しているため、限りなく精製塩に近い塩化ナトリウム純度の高い塩になってしまっている。
理想な自然塩とは工程が天日であっても平釜であっても、余計なことはせずにそのままで仕上げているものだ。
さらに私たちは日本に住んでいるわけだから、国産もしくはアジア圏内の近い海の塩が良いと思う。
ただ、岩塩などは塩の成分から味も変わってくるので料理によっては使い分けてみるのもアリだと思う。
と、いうことで!
私ニャニャまるがおすすめしたい自然塩を選ぶ4つのポイント
2.国産、もしくはアジア圏内
3.天日塩、もしくは平釜で煮詰めたもの
4.原料の海水のままで無添加のもの
では、これら4つのポイントを頭に入れて塩を見にいってみよう!
スーパーに並ぶ塩を観察
私ニャニャまるが住んでいる町のスーパーに塩見学にやってまいりました。
さて、塩コーナーはどうなっているのか?
おお!すごい種類の塩たちがズラッと並んでいる。
さて!どんなのがあるんだろうか?
まず商品の裏の工程方法を見て気づいたのが「逆浸透膜」で作られた塩の多さだった。
各塩をご紹介する前にこの逆浸透膜とは何なのか?を知っておこう。
【逆浸透膜とは】
淡水と海水を半透膜で仕切ると、同じ濃度になろうとして淡水が半透膜を通って海水側に移動します。
ある一定の量の淡水が海水に移動したところで、淡水の移動が止まります。
このときの水位差が浸透圧で、海水側に浸透圧以上の圧力をかけると、
逆に海水中の淡水が半透膜を通って淡水側に押し出されます。
製塩ではこの装置を利用して、淡水を取り除いた濃縮海水を原料にしているのです。引用元: 日本の塩100選 / 玉井恵著
このような逆浸透膜の工程は簡単に大量の濃縮海水が作られるためなのか自然塩っぽいのに安価なのだ。
そしてやはり海水をそのまま純粋に濃くしていくという工程ではないため、ミネラルバランスが崩れている可能性がある。
逆浸透膜は、専門家によりますと、淡水とその他を分ける程のかなり細かいフィルターを通すわけだから、硫酸カルシウムをはじめとする多くのミネラルがフィルターに詰まり、海水由来のミネラルバランスが損なわれる可能性が強いと言われています。
引用元: 塩あれこれ / かいふそると
このように、逆浸透膜は自然のミネラルバランスという点からみるとやはり残念な部類の塩に入ってしまうことがわかる。
では、どのような塩がスーパーの棚に並んでいるのか?
ひとつひとつ見ていこう!
イオン交換膜法で作られたすっかりお馴染みの「食塩」
工程:イオン膜・立釜・乾燥
国内の海水を汲み上げ、それをイオン交換膜法で濃い塩水を作り立釜(真空蒸発缶)で蒸発させ、
脱水(ニガリ成分を落とすため)して乾燥したもの。
高純度の塩化ナトリウム99%以上。
【感想】
国産の海水100%とはいえ、イオン交換膜法で塩化ナトリウムだけの塩。
これでは本当の塩とは言えない。
再生自然塩の代表格である「伯方の塩」
工程:溶解・平釜
伯方の塩と書いてあるが、原料となるのはメキシコやオーストラリアの輸入した天日塩。
それを伯方の海水で溶かしてから、平釜で煮詰めて仕上げた塩。
なぜ輸入の天日塩を使っているのか?
それは表示にもあるがくわしくは「7.塩運動(本来の塩を求める戦い)」の記事をどうぞ。
【感想】
外国のコストのかからない天日塩(高純度の塩化ナトリウム)を原料にしてるため価格が安いのは嬉しい。
だが、溶かしているだけに使っているたった7%の国産の海水(伯方の?)だけで「伯方の塩」という商品名にするのはどうかと・・。
実際、伯方の海の塩だと誤解してしまう人も多い。
しかし、塩専売制度の当時、イオン交換膜法のみの塩になってしまった国内で、厳しい制度の中、輸入の塩を原料にしてでも、健康に良い自然塩に近づけようとした努力は素晴らしく頭が下がります。
そう思えば「伯方の塩」という商品名もイオン交換膜の塩だらけの中、なんとか人々に目を向けてもらいたいという気持ちだったと思うと理解できる。
ただやはり純粋な工程で作った自然塩には及ばず、イオン交換膜法よりは良いかな?という感じ。
長崎県対馬の海水が原料にした「浜御塩」
工程:逆浸透膜・天日・平釜
濃くした海水を天日にしてさらに濃くした後、職人さんが平釜で煮詰めたもの。
煮詰めた後も脱水などはせず昔ながらのザルに乗せて余分なニガリを切るといった方法で作られている。
【感想】
濃くした海水からの工程は昔ながらの方法で素晴らしいけれども、濃くする方法つまり逆浸透膜法がやはり残念。
先述したように逆浸透膜法ではミネラルバランスが不自然になってしまう可能性がある。
とはいえ、その逆浸透膜法で濃い海水が簡単に大量にできるため価格が安いのは嬉しい。
ただやはり、自然塩というには微妙である。
長崎の五島難のきれいな海水を使った塩。「五島難の塩」
工程:イオン膜・立釜・混合
【感想】
国内のきれいな海水を原料にしているが、工程がイオン交換膜法なのが残念。
さらに、高純度の塩化ナトリウムのしょっぱさのみの味にしないためかクエン酸鉄アンモニウムが添加されている。
出来上がりの塩のやや茶色はこのクエン酸鉄アンモニウムの鉄の色だ。
メキシコ産の天日塩を原料とし、貝のカルシウムを混合させた塩。「酵素塩」
工程:粉砕・乾燥・混合
【感想】
ん?なんだろうこれは?この塩のホームページの説明を見て、頭が?になってしまった。
原塩を煮詰めずに独自の曝気方法で不純物・アク分を取り除き、常温乾燥後、超真空処理を施したこだわりのお塩。
引用元: 波動法製造のお塩
メキシコの天日塩を粉砕して原料にしているのはわかるが、独自の曝気方法とはなんだ?
曝気(ばっき)とは、水を空気にさらし、液体に空気を供給する行為。空気を送り込む場合は曝気ではなくエアレーションと呼ばれる。 主に水に対し酸素を供給する場合にこの語が用いられる。浄水処理の方法の一つ。酸素を供給することで水中の微生物有機物の分解を促進させる。
引用元: wikipedia曝気
わかるようで、よくわからない・・・・笑
ただ、やはりメキシコの天日塩を原料にしていることと、昔ながらの工程ではないことは確かである。
イスラエルの死海を原料にした塩。「死海産湖塩」
工程:立釜・粉砕・洗浄・乾燥
【感想】
この手の塩は自然塩なのか?とか、工程はどうなのか?とか細かいことは考えなくて良い気がする。
なぜならメインとして常用する塩ではないと思うから。
料理によっては使ってみると楽しそうであり、私も死海の塩とはどんな味がするのかちょっと試したくなってしまった。
ドイツの岩塩。「アルペンザルッの岩塩」
工程:溶解・立釜・乾燥・混合
ドイツの輸入した岩塩を溶かし、そして再び結晶化させたあとマグネシウムなどの(ニガリ)を添加。
【感想】
外国では岩塩が主流だ。
しかし、私たち日本人はメインの塩として使うのはやっぱり岩塩よりも海塩(国産)にこだわりたい。
ただ、イスラエルの死海産湖塩と同じく、岩塩などは肉料理には適しているので、そういったメニューの時にはたまに使ってみたい。
塩なのに塩分がカットされているという「やさしお」
工程:イオン膜・立釜・混合・乾燥
【感想】
減塩商品もここまできたか!という塩である。以下、メーカーの商品説明。
瀬戸内海の海水塩に「カリウム塩」を加えることで、塩分50%カットを実現。
さらに「ポリグルタミン酸」を加えることで、まろやかな味わいにしました。
これは、味の素kkの独自技術です。引用元: 味の素 商品情報サイト やさしお
塩化ナトリウムが良くないからといって代わりにカリウム塩が加えられたとんでもない塩である。
塩化ナトリウムのかたまりであるイオン交換膜法の塩が高血圧などに良くないからといって、代わりにカリウム塩をドカッと増やした塩が本当に体にやさしくなるのか?
いや、そんな不自然なバランスでは、必ず何らかの害が出てくるはずだ。
しかもポリグルタミン酸まで添加して味を作りあげてしまえば、それはもはや塩の味とは呼べないと思うのだが。
だが、このような塩を作り上げたメーカーだけを批難することはできない。
それは私たち消費者が求めた結果でもあるからだ。
私たちが減塩と健康について正しく知り、行動すれば、こういった不自然な塩もいつかなくなると信じたい。
この他にもたくさんある塩をすべて見学してみた。
気づいたのはやはり逆浸透膜の多さだ。
すごく頑張っている国内産の塩なのに逆浸透膜がほとんどだった。
だが、「理想の自然塩」というハードルをどこに置くかによって人それぞれ評価が代わる。
逆浸透膜法のおかげで安く自然塩が買えるという利点もある。
塩は毎日摂らなければならないものであり、続けることができなければ意味がないからだ。
なので、今回のスーパーの塩見学では、逆浸透膜は残念だと紹介したが、塩化ナトリウム99%の精製塩に比べたら、はるかに体にやさしい塩なのには間違いない。
なので、自分の塩にかける予算と照らし合わせて、そのへんはあなた自身で判断してほしいと思う。
私のおすすめの塩
では、本当にこれが「理想の自然塩」と呼ばれるものはあるのだろうか?
そうなると本当に数が少なくなってしまうのだが、私がおすすめしたいのはこちらの塩。
伊豆大島の海水を原料に、天日と平釜のみで仕上げた「海の精」
工程:天日・平釜
値段はちょっと高めになるが、「理想の自然塩」にとことんこだわりたい人には一番のおすすめである。
さらに例外として国内産ではないのだがこちらの塩も・・
日本の会社がベトナムで作っている「カンホアの塩」
工程:天日・粉砕
国内ではないが、アジア圏内ということで私としては良いかな?の範囲内だ。
このカンホアの塩は完全な天日。もちろんその後も余計な脱水などはせず、塩を引き上げるタイミングで成分、味を調整している。
できた塩を粉砕するのは、完全な天日で乾燥させるには時間がかかり塩の結晶が大きくなってしまうからだ。
「海の精」は少し値段が高めなので、私ニャニャまるはこのカンホアの塩と併用して使っています。
自分の理想の自然塩を選ぶ
1997年に塩専売制度が廃止されてから本当にたくさんの種類の塩が選べるようになった。
あなたもぜひ自分だけの「理想の自然塩」を探してもらいたいと思う。
では、以上で11回にわたって書いてきた「人間と塩」シリーズの記事を終わりにします。
なぜ、塩はきちんと摂らなければならないのか?
なぜ、イオン交換膜法の塩はダメなのか?
なぜ、自然塩ならば良いのか?
これらのことを、医者や周りの他人まかせにせず、自分自身で判断していかなければならない理由が、
いま、たくさんの病気に悩む私たちにはあると思います。
それはこのサイトでいつも書いているように、私たちはそれぞれ体質、性格、環境、すべてがちがうからです。
あなたはあなただけの体質で、あなただけの性格なのだ。
唯一無二の存在なのである。
ぜひとも、今回の記事を読んだことをきっかけに、身近にある塩と自分自身の健康について考えてもらえたら嬉しいです。
➡ 減塩してもほとんどの人は高血圧にはならない
➡ 減塩よりも食事や運動を見直して血液と血管の質を上げる
➡ イオン交換膜法の塩ではなくミネラルを含んだ自然塩を摂る
➡ 自分の体質に合った塩の摂り方をする
「人間と塩」すべての記事
1.減塩は塩ぬきの身体になる
2.人間のふるさとは海
3.世界を動かしてきた塩
4.塩の種類と日本の塩事情
5.日本の塩作りの方法と歴史
6.イオン交換膜法の問題点
7.塩運動(本来の塩を求める戦い)
8.体内の塩の働き
9.塩と高血圧の関係
10.自然塩のニガリは害があるのか?
11.どんな塩を選べば良いのか?
実際に海から塩を作ってみよう!
1.海水で塩作りに挑戦!(海水採取&煮だし)
2.海水で塩作りに挑戦!(天日干し&仕上げ)
あわせて読みたい「人間と水」
1.人間の水分の働き
2.地球と人間の水の循環
3.川は地球の血
4.水の流れにまかせて生きる
5.水は心を映す鏡
6.水はすべてとつながっている
7.健康になる水との接し方
参考書籍
■海は生きている/富山和子著 ■塩のひみつ/大岩ピュン漫画 ■日本人には塩が足りない!/村上譲顕著
■塩 海からきた宝石/片平孝著 ■地球 塩の旅/片平孝著 ■塩の科学/橋本寿夫・村上正祥著
■塩と日本人/田村勇著 ■塩の本/柴田書店著 ■塩の世界史/マーク・カーランスキー著/山本光伸訳
■塩と民族/時雨音羽著 ■カラダとココロが喜ぶ塩選び&ごちそう塩レシピ/ダニエラ・シガ著/白沢卓二監修
■日本の塩100選 海からの贈りもの/玉井恵著
参考サイト