自然塩を摂ると、それにふくまれるカリウムやマグネシウム(ニガリ)が害になる。という情報がある。
私ニャニャまるもこのことについてはおおいに疑問であり、いろいろと調べまくりました。
なぜならば、ニガリを否定することは自然塩そのものを否定することになるからです。
不安な気持ちで自然塩を摂っても意味がない。
まずはニガリについて詳しく知り、そして、さらに自然塩と食事の合わせ方についてみていこう!
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ニガリが害になるという説
自然塩ブームが起こっている今、じつはすんなりと健康に良いと受け入れられているわけではない。
自然塩に対する意見は・・・
「ニガリは健康に良い」
「ニガリは健康に悪い」
この2つの意見に真っ二つに分かれてしまっている。
まずはニガリとは何なのか?そこから詳しくみていこう。
ニガリとは塩のミネラルのこと
塩は塩化ナトリウムだけでなく、他にもたくさんのミネラルを含んでいる
ニガリとはその塩に入っているミネラルの一員のことだ。
海水に含まれている塩類は、塩化ナトリウムが大部分を占める。
海水から食塩を生成する場合、塩化ナトリウムが先に結晶化するので、
これをかき集めるなどして物理的に取り除いた後に残る液体が苦汁(ニガリ)である。
苦汁の成分は、塩化マグネシウムが中心である。ほかにナトリウム、カリウムを含む。
味は、主にマグネシウムイオンにより、文字通り苦い。引用元: wikipedia にがり
以前の記事「6.イオン交換膜法の問題点」で書いたが、もう一度おさらいしてみよう。
海水の水分を蒸発させていくと、ミネラルは結晶化してく順番がちがう。
真っ先にカルシウムがあらわれ、次に塩化ナトリウムがあらわれはじめ、最後に塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウムなどのミネラルが残る。
そして、塩分濃度が30%になった時から残り出す液体がニガリと呼ばれるものだ。
実際、ニガリ成分を含んだ自然塩は、どことなく湿気をおびている。
それは、ニガリ成分であるマグネシウムなどのミネラルが固まりにくく溶けやすいという性質をもっているため、空気中の湿気を吸って溶けてしまうためだ。
これらマグネシウムを含めたミネラルは食事で摂るしかない必須ミネラルである。
前述したようにミネラルはチームで働くため、ニガリ成分のマグネシウムも必須ということになる。
ニガリがなぜ悪いと言われるのか?
では、なぜ、この必須ミネラルであるマグネシウムを含んだニガリが健康に悪いとされているのか?
その理由はこれである。
【ニガリが悪いとされる理由】
ニガリはタンパク質を固めてしまう働きがあるため、人間の体内に入ると内臓も固めてしまう。
豆腐は実際ニガリを入れて大豆のタンパク質を固めて作られるため、ニガリを摂り続けると内臓も豆腐のようになってしまう。
これがニガリが健康に悪いとされている最大の理由だ。
ニガリは悪くないという意見
では、ニガリは悪くないという意見はどうだろうか?
【ニガリは悪くない理由】
豆腐にニガリを混ぜても常温では固まらない。ゆえに人間がニガリを摂っても大丈夫である
人間の内臓の平均体温は37.2~38度であり、ニガリを摂取しても固まらない。
さらに、マグネシウムの余分なものは腸で吸収されるため大量のマグネシウムが腎臓や肝臓にはいかない。
マグネシウムの1日の必要量は約300mgと多い。
しかし、近年ではミネラルを多く含んだ食材でも加工品となり、減少してしまっている。
さらに、自然塩の塩化ナトリウム以外の成分はたったの1%~15%程度しかない。
これが「ニガリは悪くない」という意見である。
私の意見
自然塩のニガリは健康に本当に悪いのか?
私ニャニャまるは「ニガリは適度ならば健康に良い」と思います。
では、その理由を・・・
まず、ニガリは必ず海に入っている成分であり、人間の体内水分が海水と似ていることを考えると害になるとは考えにくい。
しかし、動物は海水を飲まない。
人間も海水を飲まない。
それは、やはり、そのままではニガリ成分が多すぎるからではないだろうか?
実際、昔の人は結晶化させた塩をザルに乗せて、余分なニガリをポタポタと下に落として排除していた。
集めたニガリは豆腐を作るために使われたが、それだけでなく昔の人は自然の知恵で、塩を結晶化させただけではダメで、余分なニガリは落とした方がいい。
その方が「体に優しい最適なミネラルバランスの塩になる」ということを知っていたのではないだろうか?
だからこそ、ニガリの摂り過ぎは決して良くはないが、適度ならば健康に必要だと私は思うのだ。
しかし、その適度とはどの程度だろう?
実は、ニガリ論争は本やネットで盛んだが「人それぞれの体質」についてはあまり書かれていない。
私はその体質について注目して考えてみようと思う。
人間の体質は陽性と陰性がある
人はそれぞれ体質がちがう。
風邪を引きやすい人がいれば、そうでない人がいるのも体質のちがいだ。
そんな体質のちがいを大きく分けているのが陽性タイプと陰性タイプである。
【性格】積極的、明るい、声が大きい
【体質】筋肉が多い、かたい、暑がり
【性格】消極的、暗い、声が小さい
【体質】筋肉が少ない、やわらかい、寒がり
大まかにいうとこのように分けられる。
塩は陽性
ニガリを含め、塩は全体的に陽性である。
健康な体の状態とは、陽性にかたよりすぎてもなく、陰性にもかたよりすぎてなく、間性の状態だ。
このことをふまえると、
自然塩やそれに含まれるニガリの害とかを考える以前に、体質に合わせた摂り方をしてバランスのとれた間性にすること
それが大切なのではないだろうか?
陽性体質の減塩は間性に近づけることができるし、陰性体質の塩の摂取は間性に近づけることができる。
ニガリもしかり。
だが、注意したいのは、いくら自分が陰性タイプだからといって、塩の摂り過ぎ、ニガリの摂り過ぎは絶対にしてはならない。
病気で苦しんでいる人はついついその苦しさから早く解放されたいために、何でも極端に実行してしまいがちだ。
それでは、逆に体はびっくりしてよけいに悪化してしまう。
確かに、体質が陰性タイプの人は少し多めのニガリが健康に導くかもしれないが、ドカッと摂っていくのではなく、あくまでも自分にとって無理のない適正な量を体を観察しながら摂っていくことが大切だ。
「過ぎたるは及ばざるごとし」
個人個人が、ニガリを含めた自然塩の長所と短所を知った上で、自分自身の体質と照らし合わせて決める。
さらに大事なのは・・・
自然塩によって体質が変わっていけば、またそれに合わせて摂取量を合わせていく。
つまり、体質バランスのシーソーが間性に近づき、さらにそれを維持する摂取の仕方を続けることが大切である。
これが私の考える、ニガリの害、そして自然塩の摂り方についての結論になります。
菜食が多い人は塩不足になりやすい
厚生労働省は「塩の摂取は1日10g以下にしなさい」といっている。
日本人の1日平均の塩摂取量は12~13gで、アメリカでは平均10gだ。
厚生労働省はアメリカよりも摂取量を低くしなさいと言っているわけだ。
しかし、ちょっと待ってほしい。
同じ日本人でも体質によってそれぞれ塩の摂取量は変えていく必要があるのに、日本とアメリカという大きな枠で基準値を決めてしまっていいのだろうか?
そもそも、日本とアメリカでは気候がちがう。
アメリカはカラッとした暑さになるが、日本の暑さは湿気がありジメッとしていて汗をかきやすい。
また食べ物もちがう。
近年こそ、日本の食事も欧米のように肉をたくさん食べるようになってきたが、まだまだ野菜の摂取量が多い。
肉や魚にはナトリウムが含まれているため塩の味付けは控えめにしなければならない。
しかし、逆に野菜や果物に多く含まれるカリウムはナトリウムを排出してしまう働きがある。
肉なしの野菜中心ばかりの食事を減塩しながら食べていたら体は塩ぬきになってしまう。
牛や馬などの草食動物がさかんに塩をなめるのはそのためである。
スイカに塩をふって食べるのにも、野菜を塩で漬物にするのも、ちゃんとバランスがとれるよう意味があったのだ。
また味噌汁にも野菜という具が入ることで味噌が濃いすぎても余分なナトリウムを野菜のカリウムが排出してくれるという意味がある。
体質と同じく、食事内容と塩の摂取の関係はとても重要なのだ。
あなたのことは、あなたしかわからない。
「他の人がこう言うから!」という他力本願になり、ニガリは害だとか、良いだとかを決め付けてはいけない。
あなたの体質、性格、食事内容のことは、テレビの中で情報を伝えてくる人間は知らない。
病院の医師もよくは知らない。
あなただけが、あなたのことを深く知っている。
ご紹介してきたようにミネラルがたっぷり入った自然塩は健康には欠かせないものだ。
ぜひ、自分の体の声をしっかり聞いて、それに合わせて、摂って欲しいと思う。
とはいっても自然塩はじつにたくさんの種類がありますよね?
さて、では、どんな自然塩を選ぶのが一番良いのだろうか。
次回、「11.どんな自然塩を選べば良いのか?」つづく・・・